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物忘れ(認知症)

※現在、当院では物忘れ(認知症)外来は行っておりません

治療が必要となる物忘れ(認知症)は早期の適切な対策が求められます

記憶力は20代をピークに年齢とともに減退してゆきます。特に60代頃になると記憶力の低下が加速し、いわゆる「物忘れ」に悩む方が多くなります。物忘れは加齢に伴う自然現象ですが、治療が必要となる物忘れ(認知症)は自分の言動を丸ごと忘れてしまうのが特徴的です。社会全体の高齢化に伴い、認知症を患う方はこれからも増加していくことが懸念されています。

「病的な物忘れ」と「通常の物忘れ」との違い

物事を忘れてしまうことは誰にでもよく起きることです。「昨日の夜何を食べた?」「メガネをどこに置いた?」など、急に質問を受けた際に瞬時に思い出せないことは誰だって経験があることでしょう。しかしながら病的な物忘れにおいては、「食べたこと自体を忘れている」「メガネを置いた記憶が抜け落ちている」といったような状態を指します。時間軸の一部がまるでスッポリと抜け落ちたようなイメージで、「どんな」という様子を忘れるのではなく出来事そのものを忘れてしまうことを言います。

主な症状
  • 頻回な物忘れ
  • 強い不安感や焦燥感
  • 被害妄想
  • 興奮しやすい
  • 情緒不安定
  • 無気力
  • ぼーっとすることが多い
  • 幻覚や幻聴がある など

特に認知症の初期は人間関係のトラブルを招きやすくなることが多くなるため注意が必要です。また、感情をうまくコントロールすることができなくなる(感情失禁)ため、ご家族や周囲の方は戸惑いや恐怖を感じることが増えます。

また、医学用語では遂行機能障害と呼ばれますが、指示をしてもすぐに忘れてしまうため物事を完遂することができなくなります。同じことを何度も尋ねたり、自分がしたことを忘れてしまうため相手が求めている行動をなかなかやり遂げることができません。本人に同じことを繰り返している自覚はなく、ヒントがあっても思い出すことができません。ご家族や周囲の方は怒ったり責めたりしないで、その状況を理解してあげることが大切となります。

現在、約7割はアルツハイマー型認知症であると考えられています

実際の診療現場で多くみられる病的な物忘れ(認知症)については、約7割がアルツハイマー型の認知症であると考えられており、その他にも脳血管性認知症やその他の特殊な疾患による認知症があります。

アルツハイマー型認知症

現在の医療では認知症の進行自体を止める治療法はなく、進行スピードを緩める治療が一般的となります。十年単位の長期にわたって進行していく病気ですが、適切な治療を加えることでそのスピードをさらに緩めることができます。アルツハイマー型認知症は重度に進行すると徐々に寝たきり状態となり、最終的には廃用症候群でお亡くなりになられるケースが多くみられます。

脳血管性認知症

脳梗塞や脳卒中などの脳出血が原因となって起きる認知症です。脳内の正常な血流が阻害されることでその部分の機能が消失してしまいます。脳細胞は一度機能を失うと再生することはありません。再発予防と認知症症状への対症療法が治療の中心となります。

その他特殊な疾患による認知症

その他にも幻覚の強いレビー小体型認知症、難病指定を受ける前頭側頭型認知症(FTD)のほか、さまざまな原因によって認知症が引き起こされるものがあります。

治療の流れについて

認知症は進行性の病気となるため、症状を完全に止めることはできません。しかしながらその進行スピードをやわらげるための治療は可能です。治療薬については精神科や神経内科等で処方が行われるのが一般的となり、重度の場合には専門の医療機関や施設にて特化したケアを受けられる必要があります。あわせて抗精神病薬などを適宜併用しながら精神の安定化を図っていく必要が求められます。認知症は重度になるほどご自宅での生活は極めて困難となります。無理にご家族の中だけで問題を抱え込むことなく、早期に必要な窓口へご相談ください。

近年ではアルツハイマー型認知症に対する治療薬の開発が進んでいます

国内でもアルツハイマー型認知症に対する薬の開発が盛んに行われています。まだ詳しい治療効果については明らかになっていない部分も多いですが、認知症のメカニズムについてはさまざまな研究によって徐々に明らかになってきています。

認知症と知的障害の違い

「指示したことが正しくできない」といった点だけをみれば一見、認知症と知的障害では同じ状態であると考える方も中にはいらっしゃるかもしれません。しかしながら、その違いは大きく、治療法も異なります。

認知症と知的障害との違いはIQを測定することで判別できます

専門の医療機関で行われる測定の結果、IQ70以下は一般的に知的障害の可能性があると診断されます。知的障害は成人になるまでに適切な知能を獲得することが重要となるため、早期に適切な治療やサポートを行うことが求められます。

認知症は通常獲得できていた知能が徐々に失われていく病気です

認知症は、成人になるまでは通常の知能獲得ができていたものの、病気による影響でそれが徐々に失われていく状態となります。

認知症はご家族をはじめ、専門的なサポートが必要となる病気です

認知症の診断に医療現場で広く用いられている「長谷川式認知症テスト」というものがあります。簡易的な物忘れチェックができますので、気になる方は参考にしてみてはいかがでしょうか。認知症は周りの方のサポートが必要となる病気です。当院でも軽度な症状にお悩みの方へご家庭内でできる対処法などもさまざまご紹介いたしておりますのでどうぞご相談ください。認知症の進行についてはご本人の努力ではどうにもならないこととなります。当院ではご家族やパートナーの方からのご相談にも広くお応えいたしておりますのでまずはお気軽にご相談ください。

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